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May 02, 2013

色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年

9784163821108いつもの春樹さんらしくないんじゃないの?って気がしたけど、いつもは物語が難解すぎて、私にはきっと見えていなかったのかも。どの作品にも、深いところにはこういうものが埋まっていたのかもしれません。

自分の人生においても、アカやアオやクロやシロは確かに存在したような気がして、学生時代の仲間達や自分をたどりつつ、春樹さんの物語を読むという不思議な感じ・・でした。

ちょうど、「つくるがクロに会う場面」を、私は時間待ちのために駐車場に止めた車の中で読んでいたのですが、そんなところで読むのは「もったいないでしょ?」と思ってしまうほど、強烈で、でも静かにひたひたとこちらに流れ込んでくるものがあって、私は自分が経験し通りすぎた様々な場面に次々と飛んでいき、「そうだったよね」「そうだったのか」と、どの場面においても、自分の心が励まされ、救われていくのを感じました。

「つくる」のようにフィンランドまでは行かなかったけど、私も勇気を出して一歩進もうとしたことがありました。。それはちょうどつくると同じ年齢の頃。そして結果として、色彩を失っていた私が、そこからどういうわけか復活したのでした。

その時、勇気を与えてくれた友人に、今度会ったら感謝の気持ちを伝えたいとずっと思っていましたが、結局、そのまま会っていませんでした。そして今友人はもう二度と会えない場所に。。。物語よりも厳しい現実があったりします。今になって思えば、自分は色彩を得たけれど、友人の方はどうだったのかなぁ?と、思ったりもするし、他にも色々と思うことはあります。でも、もう会えないわけですから。

人生はそういうもの? 傷つき傷つけ、そしてそういうことで人は深くつながっている。

人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。

あの子は本当にいろいろんなところに生き続けているのよ。私には感じられる。私たちのまわりのありとあらゆる響きの中に、光の中に、形の中に

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